絵画で大切なもの

絵は「愛」を描くものです。

画家にとって自分の作品は我が子のようなものです。我が子が成長してお嫁に行ってしまったら親はどんな気持になるでしょうか。幸せになってもらいたい。まわりから大切に扱ってもらいたい、などなど、さまざまな想いが浮かんでくることで しょう。

 

 

愛を描くということですから、絵の題材は何でもかまわないと思います。好きな人、景色、色、物、形などなど。中には「悲劇が好き」だとか「ホームレスが好き」だとか「死」が好きだとか「情念が好きだ」という人も居ることでしょう。でもそれはそれで良いと思います。

図は左から、ピカソ「母と子」、シスレー「ヴィルヌーヴ・ラ・ガレンヌの橋」、ムンク「吸血鬼」。

 

猥褻(ワイセツ)を描くべきではありません。ただしイラストレーションは除外します。

ワイセツとは何かと言いますと、まず「欲望」。これは皆さんご存知の通りで、たとえば性的な欲望を喚起させるような絵はワイセツです。金銭欲や権力欲なども含まれます。購買意欲を喚起させる(商業広告など)絵画作品もワイセツとなります。

次に「恐怖」。残酷場面やショック効果を狙った絵があります。人間の内臓が露出された場面を描いたり、殺人、幽霊など。いかにも芸術のように見せかけて注目を集めるような作品はワイセツだと思います。

猥褻ではありませんが、良くない動機として「義務」があります。たとえば「神様が仰るから私は絵を描く」ような制作態度のことです。

 これらは人間にたとえると分かりやすいかもしれません。お色気ムンムンすぎる女性、大金持、横暴な上司、暴力や大声で自己主張する人、選挙前になると「友達」と言う人、極端な教育ママなどなど。好ましいタイプの人間はこれらの中には居ませんね。

 

ズバリ簡単に猥褻などの危険な絵を判断する方法。

 

それは、あなたの最愛のご子息が通われる「小学校、中学校に展示することが出来るか?」です。「猥褻ではない」とおっしゃるなら、それを実行してごらんなさい。結果どのようになるか想像できます。

 そう考えると、今流行の”超写実”の美人画の中にも、怪しい作品があるかもしれませんよ。モデルが服を着ていても着てなくても同じようなものです。ここで問題になるのは、絵のモチーフではなくて、絵を描いた時の画家の”気持”なのです。

 

【才能について】

絵を始める人や美術系の学校に進学する人は、自分に才能があるかどうか気になると思います。

絵画教室には才能のある人がたくさん居ます。

長年それらの人々を観察してきた立場から言えるのですが、いわゆる絵の才能よりも、それを伸ばす才能の方が重要ではないかと思います。

絵の才能のある人というのは、それなりの生活を送ってきた人です。ですから発想も技術も理解力も表現力も優れています。

しかし不安定なところがあります。継続性に欠けている人が多いです。

結果、才能を持ちながらも他のことに気を奪われてしまいます。

しかし伸ばす才能を持っている人は、継続性があって行動も安定しています。結果長い年月の間に念願が叶います。

〔ウサギと亀の競争〕のようなものです。

 

持って生まれた資質と、それを成長させる能力を加えたのが才能だと思います。