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| 版画と複製 |
◇木版画…年賀状や浮世絵でお馴染みの伝統的な版画です。印刷の場合は凸版と呼ばれています。 ◇銅版画(エッチング)…銅版を腐食させて作ります。印刷の場合は凹版と呼ばれています。紙幣や高額切手の印刷にも応用されています。 ◇石版画(リトグラフ)…平版とも呼ばれています。水と油が馴染まない性質を利用して作ります。版画では最も多い形式です。最近はアルミ版や亜鉛版も使われています。 ◇孔版画(シルクスクリーン、セリグラフ)…カッパ版とも呼ばれています。穴を空けた間に絵具を埋め込みます。プリントゴッコ、ステンシルもこの仲間です。 ◇プリマグラフィ(ジクレ)…デジタル版画とも呼ばれています。原画に近い色再現が可能です。業務用インクジェットプリンターで刷ります。顔料インクが使われます。 ◇オフセット…平版印刷です。画像を四色分解して網点の版を作り、多色で刷ります。印刷インクは染料系が使われるため褪色します。一枚あたりのコストを下げられるので大量生産が可能です。 ◇一点物…マスキングとカッターで切った中に絵具を塗り込むかスプレーで吹きつけます。乾燥後にマスキングを剥がします。この技術は乗物の塗装などにも使われています。 ◇フォトグラム…写真の印画紙の上に物を置いて直接感光させます。コピー機でも出来ます。 ◇シバクローム…スイスのシバガイギー社が開発したカラープリントです。高耐久性のためここに載せました。 ◇転写…物にインクを塗って直接紙にうつし取ります。小さなものでは葉など。大きな物では、北海道の馬小屋をそのまま直接転写した版画家がいました。 以上簡単に述べてみました。版画と印刷を混在させて書きました。
併設サイトが版画の店ですので、「お店」からの観点で版画について書きます。 紙が普及し出したころに版画は複製を前提として考案されました。聖書などの書物は口伝で代々伝えられていましたが、やがて多数の人に間違いなく正確に伝える必要性が生まれました。ですから当初は「文字」でした。やがて【印刷】と【版画】に大きく分かれて行きます。フルカラーの版画(リトグラフ)は印象派以降の時代に成長しました。写真の項でも少し述べてありますが、版を分割させることで【フルカラー】という当時では最高の美しい印刷物が出来ました。 美術の版画と印刷はどう違うのでしょうか。一般にいろいろ言われていますが、私は次のように考えます。 ◆オリジナル版画とは、初めから版画を意図した作品のことです。原画が存在しません。 ◆エスタンプとは、原画が存在して、原画を版画として複製したものです。東山魁夷、平山郁夫などの版画が有名です。 ◆作品に作者もしくは後継者のサインがあること。作者が作品の保障をすることが必要です。 ◆耐久性が原画と同等であること。印刷物は、染料系インクや年月とともに黄変しやすい紙を使いますので、、額に入れて明るい室内に飾っておくと、一年程度で色が褪せてしまいます。 特に後半の二点が揃っていることが必要であると思います。これは自分が版画を買う時に抑えておく最重要ポイントです。 |
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図は左から、葛飾北斎「神奈川沖浪裏」(木版画)、ロートレック「ディヴァン・ジャポネ」(石版画)、ルドン「沼の花」(石版画)。
考えてみると、本や音楽CDなども複製です。 今どき直筆原稿で読書したり演奏する人はほとんど居ません。裕福な人でしたら自宅に音楽家を呼んで演奏させることも出来ますが、そのような人は数が少ないと思います。 私が昔子どもだったころ、親に連れられて二科展を見に行ったことがあります。東郷青児の絵を見た時の驚きを今でも忘れることが出来ません。「これが絵
か!」と思って、その滑らかな絵肌に吸い込まれるように魅入っていました。そんな東郷青児の絵を私が買おうとしても、高価でとても手が出ませんが、版画や
複製画になっていれば買うことができます。買った版画が値上がりしようが値下がりしようが関係ありません。私が鑑賞できればそれでよいのです。 |
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