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抽象画はわからない?
自分に直接関係のない集会に参加した時には、その集会が訴えている内容よりも、集会の歓声の盛り上がりや雰囲気の方が印 象に残ることがあります。反対に集会が言葉だけの棒読みだけで行われれば、意思が伝わっても共感することが出来ませんし、音や歓声やムードだけでも伝えた い内容がはっきりしません。たとえていえば、具象絵画は、その集会が訴えている内容であり、抽象絵画は、その集会の音や歓声の盛り上がりや雰囲気であると 言えます。
ですから、抽象画は単なるデザインとは違って、訴えたい「何か」を表現しています。デザインやイラストなどの装飾美術は、それ自体何も表現せず、元の形(建物や服や器物など)を美しく魅力的に見せるための補助的な働きをします。
抽象画で出来る表現には限界があります。たとえば月球儀や火星儀というものがありますが、これらを購入して当初は珍しさで見つめるでしょうが、やがて飽 きてしまいます。模様の美しい「木星儀」を作ってみても同じです。地球儀のほうが面白いと感じます。地球儀の方がおもしろいと感じるのは、そこに「意味」 があるからだと思います。地球儀も木星儀も造形的に見れば単なる「色と形」ですが、私たちはその意味を知っています。意味のはっきりしない、あるいは理解困難な抽象画は、たとえていえば月球儀や火星儀や木星儀のようなものです。
絵から意味やメッセージを感じられなければ興味は長続きしないと思います。
        
図は左から、アングル「トルコ風呂」、モネ「ロンドン・霧の国会議事堂」、マレーヴィッチ「シュプレマティズム」、インド・カシミール地方の肩掛。

歴史を大まかに見ると、物質文明が活発な時期(古代、近代〜現代)や地域(中進国、先進国)の美術には具象的で写実的な表現が多用され、精神的な文化が 活発な時期(中世、現代〜未来))や地域(未開発国、超先進国)の美術には抽象的な表現が多用される傾向があります。
大ざっぱに抽象-精神、具象-物質のように分けてしまいましたが、現実には両方の要素が含まれることが多いと思います。

写実的な絵を描く画家は、現実に即した考え方をする傾向にあるのに対して、抽象的な絵を描く画家は、夢や理想を重視して、社会や組織から一歩距離をおいた考え方をする人が多いように見受けられます。しかし魅力があればどちらでも良いと思います。